2018年11月24日土曜日

部活動問題

私は金管バンド部の顧問をしています。音楽が大好きなので、今の状況に満足しています。昨日、吹奏楽関連のセミナーがあり、参加してきました。もちろん、自主的に参加しました。だって、好きですから。その一方で、文化庁が部活動の規制に乗り出そうとしています。私のように、部活がやりたい人にとっては由々しき事態です。きのうのセミナーでも、そのことが話題になりました。おそらく、あの場にいた人のほとんどは、こんなふうに部活の時間が一方的に削られる規制はけしからん、と思っていたことでしょう。
しかし私は、少し違う考えも持っています。というのは、私自身、今のように自分がやりたい部活の指導がやれるようになったのは、今の職場に来てからです。それ以前は、やりたくない種目、しかも運動部の顧問をやらされていました。当然、うまく指導もできず、子どものとの関係も悪く、毎日が苦痛でしかありませんでした。そういう状況で部活指導をしている先生にとっては、この規制は希望が持てるものかもしれませんが、本当にそうなるでしょうか。そういう先生でも短時間であっても部活は続けなければいけません。裏を返せば、平日2時間まで、休日3時間はやって良いということですから。しかもその中で、結果を出さなければいけません。子どもたちや親をはじめとした周囲から結果を求める姿勢はおそらく変わらないでしょう。短い時間で結果を出すという意味で、プレッシャーはむしろ強くなるでしょう。時間を規制することは、今までとは違う意味でブラック化を招くと考えられます。やりたくない、苦手な種目をやらされている先生にとっては、ますますつらい状況になるのではないかと私は思います。大切なのは、やりたい先生や子どもたちが思いっきり活動でき、やりたくない先生(種目)や子どもたちはやらなくてすむ仕組みだと思います。子どもたちは、一部の全員部活を制度化している学校以外はやらない選択ができます。私の学校でもできます。でも、先生にはやらない選択ができません。特に中学校は、その種目の顧問をやりたい先生がいなくても、子どもたちがやりたがったら、だれかがそれを無理矢理やらされるわけです(ちなみに私は中学校勤務の経験もあります)。やりたくもないことに本来やらなければいけない仕事をやる時間をとられ、プライベートの時間もとられ、そしてお金は微々たる額しかもらえずほぼボランティア。そこに一番の問題があると私は思います。要は、時間の規制をしても、あまり意味がないということです。文化庁やスポーツ庁が出す規制は、やりたい人やりたくない人、どちらにとっても都合が悪い規制であると考えられます。第一歩と言えば第一歩なのかもしれませんが、よりよいものができてくるといいと思います。

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